UCCHAN-BLOG

株式会社enmono技術担当取締役で自社製品開発講座「zenschool」やってる人。モノづくりと禅に関係性がありそうと言うような感性をお持ちの方とは仲良くできるかもしれないです。論理的ではないと忌避感をお持ちの方とは話が噛み合わない気がします 笑

製造業のIT活用は遅れている。
製造業側もそうだけど、IT企業側も製造業を理解していない。
双方の歩み寄りが必要。
両方をつなぐ人材は圧倒的に少ない。
https://twitter.com/ucchan/status/16388760284

このつぶやきに反応があったので、もう少し説明したいと思います。
140文字じゃ語りつくせないです。

製造業と一括りにしてますが、現存するITツールが無数にあります。
・デザイン
 -グラフィックソフト、モデリングソフト、リバースエンジ
・設計
 -CAD、CAE、公差解析
・製造(スタッフ)
 -CAM、生産管理、スケジューラー、労務管理、原価管理、外注管理、購買システム、受発注管理
・製造(現場)
 -NC(MC、旋盤、五軸加工機、複合旋盤)、SCADA、MES、帳票管理、日報、FA、金型、治具
・安全、品質
 -QC工程表、ISO、ISMS
・納品
 -ロジスティクス管理、在庫管理
・顧客管理
 -顧客情報管理、営業管理
・経営
 -予算管理、経営数値管理、内部統制

ざっくり思いつくだけでもこれぐらいの領域の業務があり、それぞれにそれぞれのシステムがあります。
全てを網羅しようにもできない範囲の業務範囲です。
モノを買ってきて売るというなら、前述でいうと顧客管理、経営の範疇に絞られるかと思います。
製造業って商売は作ってから売るまでの膨大な業務の積み重ねによる事業ですから、システム化が大変だと言えます。
ソリューション展を見に行くと少しは理解が深まるでしょう。あそこに展示してある全てを理解してコーディネーションすることが求められております。(無理だけど)
http://www.dms-tokyo.jp/

補足
ITは道具で、生産性向上の道具。
社員が便利になるだけじゃ暇になるばかりで、経営数値は良くならない。
なんのためのシステム化か、本来は経営層がIT化を求める筈である。

補足2
DMSの出展者カテゴリーより
●CAD & PLM /PDM
2次元CAD
PLM/PDM
部品表管理システム(BOM)
プロッタ・プリンタ 
3次元CAD
デジタルモックアップツール
ナレッジマネジメントシステム
CAD周辺ツール
●CAM
CAM
DNC
加工シミュレーション
●CAE
機構解析
熱・流体解析
鋳造解析
プレス解析
その他解析ツール
構造解析
樹脂流動解析
電磁場解析
受託解析
ラピッドプロトタイピング3Dプリンタ
各種造形装置
RP用材料
3Dプリンタ 
サービスビューロ
●3次元測定
3次元測定器
測定受託・代行サービス
3次元デジタイザ
●図面管理・文書管理
図面・文書管理システム
図面・文書セキュリティシステム
図面・文書電子化ツール・サービス
●技術伝承
動画マニュアル
Eラーニング・教育ITソリューション
文書マニュアル
翻訳サービス
●設計・製造アウトソーシング
設計受託/技術者派遣
その他製造業向けアウトソーシング
製造受託/請負 
●SCM・ERP・生産管理システム
SCM
生産管理システム
在庫・需要供給管理ソリューション
バーチャルマニュファクチュアリング 
ERP
スケジューラー
設備管理ソリューション
バーコード/2次元シンボル/ トレーサビリティソリューション
●省エネ・CO2削減
省エネ・CO2削減 ソリューション
省エネ設備(照明/空調/断熱材など)
制御機器・FAシステム
熱利用技術(熱交換器/廃熱利用システム/蓄熱システムなど)
●知的財産・技術戦略支援
知的財産関連ITソリューション
知財実務アウトソーシング(調査・出願・翻訳等)
知的財産/技術戦略支援コンサルティング
その他知財関連製品・サービス
●その他
書籍・雑誌

製造業のITこんなにあるのねって感じ。


生産技術者時代はいろいろと情報集めてました。
生産技術の仕事は、現場の生産性向上により原価低減(省人化)を図ることです。
前述ITツールを効率良く導入し所定の結果を出すことが求められます。(要は投資効果)
なので何でもありなのですねぇ。結果につながれば。
しかしそれぞれのシステムを作ってる方々はどうしても、自社製品が中心であり、導入サイドのホントのニーズってなかなかわかってくれないんですよね。
素知らぬふりで探りを入れつつ本音は出さず情報を集めて企画を練って予算取りしてさあそれから稟議書作成になります。
そのための情報収集が必要なのでメーカーさんには根掘り葉掘りいろいろ聞き出すんだけどやっぱ営業の方だけだと裏付けに弱い。
だから技術の人と話をするんだけど今度は細かすぎて焦点がぼける。
バランスがとれた会話でこっちのアイデアを刺激してくれるような方は、ほんの数人だけだけどいました。
そんな方とは信頼関係が結べ、本音に近い部分まで相談ができました。
大企業であろうと中小企業であろうと関係なく、そんな方はほとんどいないですねぇ。
むしろ大企業ほど業務領域が狭くてビジネスの話ができなかった気がする。
経営にまで気が回らないというか、経営層から遠いポジションだからでしょうか。
逆に中堅ベンダーさんの方が業務領域が広いせいか、話が広がったような気がする。