UCCHAN-BLOG

株式会社enmono技術担当取締役で自社製品開発講座「zenschool」やってる人。モノづくりと禅に関係性がありそうと言うような感性をお持ちの方とは仲良くできるかもしれないです。論理的ではないと忌避感をお持ちの方とは話が噛み合わない気がします 笑

東大i.school春のシンポジウムに参加してきました。
昨年春、横田さんにTwitterで声をかけていただいてから、横田さんと付き合うようになりました。
その横田さんが修了された東大i.schoolのオープンセミナーです。
原研哉氏の講演、そして、原研哉氏と紺野登氏、堀井先生、田村先生によるパネルディスカッションという構成です。
原氏の講演はとても腑に落ちるものばかりでした。
「もの」ではなく「こと」のデザインを志向されているということで、enmonoの提唱する、マイクロモノづくりにとてもシンクロしました。
モノを作っても売れない時代のモノづくりはどういうものか、常に考えながら試行錯誤しているなかで感じていることが、とても近かったように思います。
なので、提案されていることや提唱されていること、過去に開催された展示会のことなど、全てがとても参考になりました。
刺激を受けて、また発想が膨らみ、そしてクリアになるところも大いにありました。


メモ
・ニーズ志向、シーズ志向の一方通行は、合理的で妥当なものを生み出す。双方向になって意外なものを産み出そうとするのが、イノベーション
・原さん:REDESIGN
 +飛行機柄の入出国スタンプ:一瞬のコミュニケーション
 +大人用おむつ:見栄えを良くして、デリカシーに配慮
 +小学校で、イノベーション教育。図工はクリエイティビティを育む。/創意工夫ですな。
・原さん:HAPTIC
 +人間の感覚をゾクゾクさせるというテーマ
 +人間はゴムボールのようなもの。皮膜で感じている。
 +五感がヨダレを出す感じ。
 +柔らかいリモコン。触感が変わる感じ。
 +脳は情報量の多いことが好き。/視覚だけ、聴覚だけではなく五感全てに刺激を求めるのでは。
 +いかに感じるか。


すごいシンクロしてる。
10日にenmonoが開催した、経営革新講座は、感じるということがテーマでした。
感じるというのは、体の感覚と心の感情双方がミックスされて、感じるなのだという主張を唱えました。
原さんとシンクロしてる、と自画自賛です。888888888!


・原さん:SENSEWARE
 +テクノロジーとデザインのコラボ
 +サル顔マスク(不織布の立体成型)
 +可変ソファ
 +3軸織物
 +テクノロジーが進化するほど自然に帰る。/デジタルはアナログを目指しますなぁ。いわゆるローテクの方が高度な技能や技術が必要。
 +笑う車。バンパーやウィンカーがソフトな素材を使い微動することで微笑してるような形を取るもの。
 +光ファイバー入りコンクリート。半透明になる。ソリッドなものの変質。
 +無印良品:簡素にすることがリッチを凌駕する。/これってワビサビの世界だなぁ。日本人的な価値観だと思う。
 +EX-Formation(未知化)。/informationを一旦捨てて白紙に戻すというイメージ。純粋経験みたいなものかな。
 +ブランドは理解されると消費されてしまうものなので、いかに理解されないかを目指す。理解されないことを理解してもらう。/いわゆる悪女みたいなものかも(笑)


震災後についての議論
原さんが構想されていた、復興プランがとても参考になりました。
ピラミッド型の復興プランではなく、パラボラ型の復興プラン。
個別ニーズを個別に受け入れ、フルイにかけてノズルから出てきたコアニーズを汲み取るというようなもの。
パラボラ2では、個別ニーズ受け入れの段階で、編集する存在が意見集約を行うというもの。
この編集する存在が、i.schoolが排出する人材なのではないかというようなお話。


マイクロモノづくりプロデューサーがまさにそうだなぁ、などと感じ入りながらいろいろ考えました。
マイクロなニーズに答えるマイクロモノづくりは、パラボラ2の上流のきのこ。
Cacoo - 原研哉氏:パラボラ2型復興プラン