UCCHAN-BLOG

株式会社enmono技術担当取締役で自社製品開発講座「zenschool」やってる人。モノづくりと禅に関係性がありそうと言うような感性をお持ちの方とは仲良くできるかもしれないです。論理的ではないと忌避感をお持ちの方とは話が噛み合わない気がします 笑

「マイクロモノづくり」と言い始めて、1年以上経ちました。
昨年9月にこのような考察をしてからも、変化があります。
マイクロモノづくりの考察 - UCCHAN-BLOG


とはいえ元々持っていた問題意識とそれに対する提案としての、マイクロモノづくりは変わっていません。
前職、エヌシーネットワーク時代に遡りますが、私自身の問題解決の考えから始まっています。
加工事業部というところで、仕事をしておりました。
発注先企業から、仕事の発注を受け、必要な部品を提供するというものです。
しかし受ける仕事が、半端無く難しい仕事が多かったです。
この部品を提供できる企業が、簡単に見つからないから我々のところに相談が来ます。
こういう加工が出来る会社、それを組み上げることが出来る会社、少量でも可能なのか、将来大量になっても対応ができるのか、コストは見合うのか…


私自身の得意分野ではない領域の技術が必要な場合、どうしてもネットで調べたり知合いを探したりということが必要になってきます。
幸いなんとか対応は出来ていたのですが、もっとそういった専門領域の異なる方々にアプローチできるようなことができたらいいのになぁ、というのがとっかかりです。


自分が、必死になって探していたような対象がひとところに集めておけば、いいのではと考えました。
そこで三木さんと相談し、コンセプトをまとめて行ったのが、enmonoという概念であり、マイクロモノづくりにつながっていきます。


最初は、単なる専門家のDB作って簡単に見つかればいいのかな、程度でしたが、それだと、私自身のメリットしかなく、ビジネスには成り得ませんでした。
そこで、あるとき三木さんが、enmonoと言い出しました。
専門家だけではないネットワークをつくり、モノづくりで、起業する人を増やすコンセプトにしようと。
一番最初は、entrepreneur(起業家)の、"en"と、monozukuri(モノづくり)の"mono"だったのです。
でもすぐに、自分が、人とのご縁の"en"だよねって、ことも言い出し、縁がメインになっていきました。
また、その頃読んだ、八幡さんの本からも感化され、エンジェルの"en"という表現も使うようにしました。



まあでも、そんなコンセプトに賛同してくれる人は、誰もいなかったのですが、あるとき、現enmono顧問の細川さんと、別件で知り合い、enmonoのコンセプトを話したところ、とても気に入っていただき、色々なアドバイスを頂けるようになりました。


結果的にこのコンセプトのビジネスに特化していくことを決め、独立しましたが、現実的には、モノづくりで起業する人はいませんでした。
実際は、すでに製造業を営んでいる方々が、新規事業を展開することのご相談でした。
または、新規事業を進めているがうまくいかないから、手伝って欲しいというようなご相談です。
販路であったり、資金繰りであったり、サプライヤが見つからないといったありとあらゆる範囲のご相談です。


あらゆる相談に乗っているうちに、結局、これらすべてを回していかなければ、製造業の仕事ができないんだな、と実感し、我々だけではなくそのような人が増えていかなければまずいかな、と思うようになりました。
そこで、「マイクロモノづくり」という言葉にして、コンセプトを少しずつでも伝えていくことにしました。


すぐにコンセプトを理解してくださる方もまれにはいらっしゃいますが、たいていはよく分からないと言われてしまいます。
確かにどう表現していいのか、探り探りの状態です。
でも地道に1年以上やってると、少しずつですが、同士と呼べる人も増えてきました。
面白いのは、Twitterでそういう人が増えているというのが、昔にはなかった感覚です。
マイクロモノづくりの概念についてずっとつぶやいてると、何かしら反応がある方もおられ、会話が成立して実際にお会いし、仕事を一緒にする仲にまで発展した方もおられます。


今までにないことを伝えるには時間がかかりますが、この広い世界の何処かには、同じようなことを考えている方もいらっしゃいます。
そして、そういう方も周囲には同じような考えの方がいなくて、私たちのような存在を求めていた、という言い方もできるのかな、と思います。


昔ならば出会って仲間を増やしてなんてことが叶わなかったかもしれませんが、Twitterのおかげで、そういうかたと知り合うことができ、facebookで仲間を集めた議論の場が設けられるようになりました。


で、いろんなかたとお話ししている中で、最近思っていることですが、マイクロモノづくりは、”製造”ではなくて、”概念”ということです。
そして、”モノづくり”という言葉に対しても、どれだけ拡大解釈ができるのか、という問いかけを会う方々にしております。


何のため?


中小企業は300万社ほどあります。
仕事が順調で将来安泰という会社はどれぐらいあるのでしょうか。
これは、大企業もお同じなのではないでしょうか。
で、仕事って何でしょう。


誰かのお役に立つことで、お金をいただく、ということだと思います。
では、お役に立つって何でしょう。


その方のお困りごとを解決することで、感謝されるといったことと思います。
では、お困りごとってなんでしょう。


じつは、ご自身が気づいていない場合が多いのではないでしょうか。
こちらから、ある程度分かりやすく働きかけなければ、気付いてもらえないことが多いような気がします。
また、逆にお困りごとを相談に来られても、お困りごとと思ってらっしゃることが、真の原因ではない場合もあります。
それを解決しても、再発すると思われることが多々あります。


なんか、ビジネスも現場改善の手法に似ていますね。
なぜなぜと問いかけて、真因を探り、問題を見付け出して、解決する。


ですが、その企業内に問題がなく解決の種を見いだせないという時代になっていると思います。
改善手法では問題解決できないということだと思います。
今までの延長線上に答えがない場合、どうしましょ。


自分自身を振り返り、人間は本当に何を求めているのか、そこまで深掘りすることで、何かもやっとした未来像が描けます。
それを形にすることで、少しずつ周りの反響を集め、新たな価値を創造していくことができます。
事業として成立するかもしれないし、失敗するかもしれません。
ですが、そのような試行錯誤をしていかなければ、きっと未来はありません。
試行錯誤しながら、今までにはないものを生み出し、形にしていくこと、これが「マイクロモノづくり」なのだと、現時点では思ってます。


人間は昔から変わっていません。
感覚を持ち感情があります。
その感覚と感情に訴えかけるもの、これを提供するのが”モノづくり”なのだろうと考えています。
ここまで拡大解釈すると、誰かの言いなりになってる人以外は、皆何かしら”モノづくり”しているということが言えます。
言いなりになって自分がない人が少しでも少なくなり、皆が創造的になっていくと、ワクワクするような未来が待っているように思います。


自分以外に、たとえ10人しか賛同者はいなくても、自分だけではないということを感じさせてくれた、Twitterfacebookに感謝しています。


そして、その感謝の気持ちを多くの人が持つことによって、皆が創造性を発揮する、そしてそれを我々、enmonoが支援する、そういうことがムーブメントになっていく、そんなことを企図しております。


先日の横田さんの言葉、お気に入りなので参照します。
子供にモチベーション、大人にイノベーション
ワクワクしますね。