UCCHAN-BLOG

株式会社enmono技術担当取締役で自社製品開発講座「zenschool」やってる人。モノづくりと禅に関係性がありそうと言うような感性をお持ちの方とは仲良くできるかもしれないです。論理的ではないと忌避感をお持ちの方とは話が噛み合わない気がします 笑

今日は日本でも唯一に近い、エンジェルネットワークである、IAIジャパンのサロンに参加してきた。
http://www.iai-j.com/
会員ではなくても紹介があれば参加できる、敷居の低い会合です。
しかし内容は濃いものです。
起業される方や新規事業を検討されてる経営者には必要な講演がなされ、とても勉強になります。
その後は懇親会です。
ちょうど隣りに座られた、某大手商社の後、請われて中小企業の経営をされた方とお話をしました。
その中小企業は自動車部品メーカーさんで、いわゆる下請けさんでした。
その方が入られた頃は、売上至上主義で、忙しいだけで儲からない状況にあったそうです。
自動車メーカーの指値を鵜呑みにして仕事を請けていたため、原価計算もすること無く売上だけを立てていました。
なので締めて見ると赤字ということが多く、経営が苦しいというところに入られたそうです。
とはいえ元々は営業のテコ入れだったそうですが、原価もわからないためメーカーと交渉もできない、現場が忙しすぎて不良をたくさん作り謝る日々、ということにさすがに問題意識を持たれて、現場に入り改革を進められたそうです。
そこでいったん製造原価を正確に求めるようにし、そのデータを元にメーカーと交渉するようにされたそうです。
そして、指値に対して無理な場合ノーというようにされたそうです。
とはいえ営業担当は今までの習慣から恐ろしくてそんなことは言えないと泣きつかれたそうで、その方は経営責任者として承認する、必要ならサインもするとまで断言され、責任を明確にされたそうです。
結果、ノーと言われたメーカーの担当は、他に転注もできず、見積りを飲んだそうです。
正確な製造原価のデータを元にメーカーと対等に交渉することで、飛躍的に黒字化し、社員のモチベーションも上がったそうです。
そして儲けた利益は3DCADなどのシステム投資にふんだんに回し、生産性向上を図られたそうです。
結果、製造リードタイムが競合よりも格段に短くなった事により、極端に工数削減ができ、短納期の仕事をバンバン受注できるようになったと同時に、副産物としては製造原価が著しく下がったということです。
仕事が増え、しかも利益率が向上ということで、交渉を有利に進められる環境になりました。
戦略的に取らなければいけない仕事は原価ギリギリまで落とし、競合よりも格段に低コストで受注し、それでも利益が残るというような経営に変わってきたそうです。
トップの決断一つでこうも変わるんだなと、それを実現した人の口から聞くとすごく納得出来ます。
もともと自動車メーカー生産技術なので、生産性向上は常に考えていましたから、理屈上は想像できてましたが、そこまでドラスティックに変化するというのはすごいことです。
逆に中小企業には、まだそういうムダがたくさんあるということなのでしょうね。