UCCHAN-BLOG

株式会社enmono技術担当取締役で自社製品開発講座「zenschool」やってる人。モノづくりと禅に関係性がありそうと言うような感性をお持ちの方とは仲良くできるかもしれないです。論理的ではないと忌避感をお持ちの方とは話が噛み合わない気がします 笑

モノづくりは創意工夫の産物。
昨日と違うことを考えて、行う。
昨日と同じことをするのは、モノづくりではない。
量産工場で働く人は、モノづくりをしていないのだろうか。
昨日とまったく同じことをしている人達は、その日々の仕事の中で、創意工夫を考え、アイデアをためて、提案することで、モノづくりをしている。
3ヵ月後は、その提案を元に改善され、3ヶ月前とは違った作業をしている。
そういうことに参加している限りは、モノづくりといえる。
しかし、改善するアイデアを考えない、創意工夫の無い人達は、モノづくりをしていない。


モノづくりをしている人達は、大きな前進は無いけれど、少しずつの前進で、10年後には、大きく成長している。
モノづくりをしていない人は、多分興味を持てないから、創意工夫をしないのだと思う。
自分が興味を持てる物事に対しては、きっと様々な創意工夫をしているはずである。
車の運転が好きで速く走らせることが好きならば、運転技術に創意工夫を凝らすし、軽量化や空気抵抗低減などのパーツ交換に熱心になる。
テニスが好きで試合に勝ちたいならば、創意工夫が必ずある。


こういう気持ちがモノづくりである。


日本はモノづくりの得意な国、と言われているが実際そうなのだろうか。
人間は皆、モノづくりをしているはずであり、国による違いは無いのではないか。
じゃあ、日本はなぜ、モノづくりが得意と思われているのか。


国土が狭く、人口密度が高い*1 、資源が少ないから、プラント輸出してましたと、社会の勉強で習った記憶がある。
原料を海外から買ってきて、加工して海外へ売る。
加工こそが、付加価値であり、創意工夫の産物=モノづくり。


しかし創意工夫の源泉は、興味、好奇心である。
今やってることに、興味が無い、好奇心が湧かないならば、創意工夫する気は起きない。
また何か不満がある、不足がある、不備がある、だからもっと良くしよう、そういう気が無ければ、創意工夫する気にならない。


日本は物があふれ、欲しい物が無い。
自分を振返っても、あまり物を買っていない。
必要な物は買うけど、欲しい物は無いので買っていない。
旅行したり、映画見たり、テニスしたり、そういったことにお金を使っている。


創意工夫の対象が、そういう方向に向くのだと思う。
形の無いモノ、サービスに対する創意工夫→形の無いモノのモノづくり、こういうことは今後もっと増えるのだろう。
形あるものは、安くてそこそこの性能だから買うと言うことではなく、欲しいもの(デザインが良いとか)があれば買うのだと思う。
人と同じが嫌だと言う気持ちも、増えて来る筈。
だからそういうところに、創意工夫が生まれる。


コストダウンのアイデア、そういう創意工夫はあるけれど、日本で産み出されたアイデアの使われる先はきっと、海外になるのだろう。
従来で言われる、生産技術開発は、国内で生まれ、海外で使われるようになる。


モノづくりは変わらないけれど、海外へ輸出されるものが、形あるものから形の無いモノへシフトしている。
そこに注力していきたい。

*1:21位 日本 127,156,000人 377,915km2 336人/km2 wikipediaより